ビジョン

日本臨床検査標準協議会(JCCLS)は、1967年に設立された米国のNCCLS(米国臨床検査標準委員会、2005年1月よりCLSI:Clinical and Laboratory Standards Instituteと改名)やECCLS(欧州臨床検査標準委員会)などの動向を踏まえ、日本における臨床検査の標準化と質的改善を目的とし、1985年、発起学会4団体を含む14学会と8協会団体が加盟し、任意団体として発足致しました。その後、事業の拡大に伴い法人格取得の必要性が高まったため、2005年に特定非営利活動法人(以下、「NPO法人」)となりました。当時は、現在の公益法人制度が施行される前であり、非営利目的という観点からNPO法人になることを選択しました。

しかし、NPO法人というと社会的にはボランティア活動の団体というイメージが強く、一般的に、多くの医学系の団体は、社団法人として活動しているため、本会としても、社団法人として活動するのが本会の事業内容に合うものと考えました。また、公的機関等から補助金事業や委託事業を受ける際にも、社会的信頼性の高い公益法人の方がより本会の趣意に沿うものと思われます。その他、各学会や研究機関等へ事業の協力をお願いする際や本会の事業活動を広く普及啓発する際においても、社会的信頼性の高い公益法人の方が、より円滑に事業を進めることができ、本会の公益的な事業活動をより社会全般に広げることができるものと考えております。

本会は、臨床検査の標準化を図るために、臨床検査に係る具体的な検査方法・手技・基準範囲等に関する多くのガイドライン(指針)の策定・発行、及び体外診断用医薬品を製造する際の基準となる標準物質に関する事業を行っております。両事業とも臨床検査の標準化に必要な事業であり、公共性の高い事業といえます。そのため、両事業とも、国際的には、CLSI(米国臨床検査標準委員会)、NIST(アメリカの国立標準技術研究所)やIRMM(欧州の標準物質供給機関)のような国に準ずるような公的機関が関与している事業であり、公共性・公益性が高い事業であると考えております。このように、本会の活動が質的、量的にも拡大し、臨床検査領域における役割を担うにつれ、社会的任務と責任を有する法人格を取得することの必要性が生じてまいりました。すなわち、公益性の高い法人格である公益社団法人として実施した方が事業内容に合うものであります。
以上の理由により、本会は、NPO法人から公益社団法人化を目指し、2020年4月21日より、「公益社団法人 日本臨床検査標準協議会」として再出発いたしました。

JCCLSは、現在、特別会員9団体(官公庁)、正会員29団体(学会、協会等)、賛助会員46社(企業)、個人賛助会員20人を擁する一大組織に成長しています。合計20の専門委員会が組織され、それらの専門委員会によって多数の臨床検査の標準化に関する指針文書が作成され、承認されています。

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