会長挨拶

公益社団法人 日本臨床検査標準協議会としてさらなる公益事業の推進を

Further development of non-profitable activity as public interest incorporated association Japanese Committee for Clinical Laboratory Standards
Greeting from the JCCLS Chairman

会長

公益社団法人
日本臨床検査標準協議会

会長高木 康

この数年間に臨床検査の精度管理に関するエポックメーキング的な事象が起こりました。1つは2017年6月に公布された「医療法等一部を改正する法律」が2018年12月1日から施行されました。この法律には「検体検査の品質・精度管理」と「検体検査の分類」の2つの臨床検査に関わる重要な改正点が含まれていました。医療機関が自ら実施する検体検査について、品質・精度管理に係る基準を定めるための根拠規定を新設し(医療法の改正)、これに合わせてブランチラボや衛生検査所に業務委託される検体検査について、精度管理に係る行政指導等の実効性を担保するため、品質・精度管理に係る基準を省令で定める旨を明確化しました(医療法・臨床検査技師等に関する法律の改正)。医療機関の検査室でも外形基準の遵守、適切な内部精度管理の施行と外部精度管理調査への受検が義務付けられ、検体検査の品質・精度管理の維新の幕が開かれたのです。

そしてもう1つが2019年12月に中国武漢を震源地として発生した新型コロナウイルス(COVID-19)によるコロナ禍です。国民の多くが測定法であるPCRを知り、その診断の重要性と感度・特異性を含めた精度管理に対して広く深い関心をもち、知識を身につけました。安倍首相が医師・看護師と同列で臨床検査技師に謝意を述べたことは、臨床検査が医療の一部として広く認められた瞬間でした。

このような臨床検査維新とも呼ぶべき時期に『日本臨床検査標準協議会(JCCLS)』は「特定非営利活動法人」から「公益社団法人」への衣替えを内閣府に申請しました。今まで以上に公益性を重要視した事業を行い、国民の福祉と健康増進に寄与することを目指すための一里塚とするためです。

以下の4つの具体的な事業を実施しており、今後も継続することを公益法人化のための申請書に記載しました。

  • 標準物質の研究開発事業:2012年にISO Guide 34:2009およびISO17025:2005に基づく標準物質生産者の認定を取得し、標準物質としてJSCC常用酵素CRM-001c、ChE CRM-002cおよび多項目実用参照物質MacRMを開発・製造して頒布
  • 臨床検査方法等のガイドライン(指針)等の策定:臨床検査の標準化の啓発のために各種標準書・解説書の作成・頒布
  • 臨床検査の標準化に関する情報提供:臨床検査の標準化に関する普及啓発の観点から、標準物質に関する国内外の動向や臨床検査方法に関する標準化、臨床検査室における精度管理等、臨床検査の標準化に関連するテーマで、各界の有識者を講師とした学術集会・講演会・シンポジウム等の開催
  • 臨床検査の標準化に関連する事業への共同・協力等:

    ・国際基準との整合性を図る観点からISO(国際標準化機構)の活動への参加

    ・日本臨床化学会(JSCC)、一般社団法人日本臨床検査薬協会(JACRI)と共同しての標準物質の研究開発

    ・公益財団法人日本適合性認定協会(JAB)および一般社団法人日本臨床検査技師会
    (JAMT)が実施している臨床検査室の認定事業への関与・協力

現在も行っているこれらの臨床検査の標準化に関する地道な努力が内閣府に認められ、令和2年4月21日付で公益社団法人として認定されました。この公益社団法人格の取得は社会的に認められ、公的活動を継続する上でJCCLSの長年の念願であり、今回認定を受けたことは先人と同輩の先駆的・継続的な努力と正会員である多くの学会・団体のご賛同・ご支援のお陰であります。今後もさらなる公益事業を行うべくキャビネットを中心に奮励努力するつもりでおります。よろしくお願いいたします。

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