JCCLS事業活動年次報告

令和4年度 事業報告
(令和4年4月1日から令和5年3月31日まで)

令和4年4月1日から令和5年3月31日までの期間において、公益社団法人日本臨床検査標準協議会が実施した事業について、次の通り概要を報告する。

Ⅰ.会員の移動

令和4年度における会員数は77で、内訳は、特別助成金交付団体の日本医師会、正会員の学術団体30、賛助会員(企業)47である。

  • 令和3年度期末会員数(正会員30学術団体、賛助会員46社)
  • 令和4年度期末会員数(正会員30学術団体、賛助会員47社)

Ⅱ.総会、理事会

1.総会、理事会等の開催

令和4年度第1回理事会
令和4年4月26日(火) 13:00~15:00
令和4年度定時社員総会
令和4年6月3日(金) 14:00~16:00
令和4年度第1回常任理事会
令和4年12月13日(火)14:00~16:00
令和4年度第2回理事会
令和5年3月29日(水)13:00~15:00

2.総会、理事会等における審議・承認及び報告事項

1)令和3年度第1回理事会

報告事項1
MacRM-001及びMacRM-002値付けの件
報告事項2
代表理事及び業務執行理事報告

「決議事項」

第1号議案
令和3年度事業報告の件
第2号議案
令和3年度貸借対照表、正味財産増減計算書、財産目録に関する件
第3号議案
理事候補者1名選任の件
第4号議案
令和4年度定時総会招集の件

2)令和4年度定時社員総会

報告事項1
令和3年度事業報告の件
報告事項2
令和4年度事業計画及び収支予算書の件

「決議事項」

第1号議案
令和3年度貸借対照表、正味財産増減計算書、財産目録承認に関する件
第2号議案
理事1名選任の件

3)令和4年度第1回常任理事会

報告事項1
内閣府の立入検査について
報告事項2
TC212WG-1会議(日本開催の件)
報告事項3
CRM-001次ロット品の値付け結果について
報告事項4
第1回小規模検査施設の外部精度管理調査の進捗状況について
報告事項5
令和4年度JCCLSシンポジウムの件

4)令和4年度第2回理事会

報告事項1
令和4年度第1回理事会議事録確認の件
報告事項2
第1回小規模検査施設の外部精度管理調査の件
報告事項3
内閣府の立入検査の件
報告事項4
ISO/TC212WG-1会議(日本開催)の件
報告事項5
代表理事及び業務執行理事報告の件

「決議事項」

第1号議案
CRM-001e、CRM-002e及びMacRM-001b、MacRM-002bの頒布価格について
第2号議案
CRM-002eの作製と値付けの件
第3号議案
内閣府に提出する資料(令和5年度事業計画、収支予算書、収支予算書 内訳表、資金調達及び設備投資計画)承認に関する件

Ⅲ.令和4年度日本臨床検査標準協議会(JCCLS)シンポジウム

令和3年度のシンポジウムは新型コロナウイルス蔓延のため延期し、令和4年6月29日(水)に下記演題名にて実施した。

1)外部精度管理調査における現状と課題
(畠 伸策:厚生労働省医政局地域医療計画課医療関連サービス室 室長補佐) 
 
2)小規模検査室の外部精度管理調査事業に関する計画
(高木 康:日本臨床検査標準協議会 会長)

3)第2回新型コロナウイルス核酸検査の外部精度管理調査:小規模検査室を含む
(宮地 勇人:日本臨床検査標準協議会 常任理事、新渡戸文化短期大学副学長)

Ⅳ.第1回小規模検査施設の外部精度管理調査

参加施設は診療を行う病院・診療所、検査機関、メーカー(ドライケミストリ-試薬販売会社)の100施設超が参加し実施した。

施設別報告書には委員会コメント欄を設け、成績により担当委員のコメントを記載し、「評価証」は成績の程度により2つのタイプを作成して、参加施設に送付した。また、調査報告書には調査概要、参加施設及び調査試料の継時変化等を記載し、全ての参加施設に送付した。令和5年度も第2回小規模検査施設の外部精度管理調査を実施する予定である。

Ⅴ.委託事業

令和4年度は、三菱総合研究所からの再委託事業(経済産業省委託事業)「核酸に対する多項目分子学的検査の精度保証に関する国際標準化」の3年目に当たり、①ISO 21474-2の国際規格化(IS)、②ISO 21474-3の委員会原案化(CD)、③JCCLS ISO/TC272国内審議委員会およびアルコール検知器協議会を中心に新規プロジェクトの提案と承認(10.99)さらにCD登録(30.00)を目指した。

その結果、①ISO 21474-2については、令和4(2022)年度に国際規格を発行した。②ISO 21474-3の委員会原案化については、実施計画より進行し、新規プロジェクトをTC業務計画に登録した。③JCCLS ISO/TC272国内審議委員会およびアルコール検知器協議会を中心新規プロジェクト新規プロジェクトの登録(10.60)を目指したが、遅延した。ISO/TC272総会にて遅延の原因を説明し、理解と有益なコメントを得た。

Ⅵ.委員会活動

1)多項目実用参照物質検討委員会
① 多項目イムノアッセイ用免疫学的検査用標準物質の開発を行うために、候補項目を16項目に絞った。各項目に標準品候補となる物質が数種あるため、項目ごとに候補物質の選択を行った。


2)遺伝子関連検査標準化専門委員会
① 三菱総研の再委託事業(経済産業省委託事業)の一環として、ISO 21474-2の国際規格化(IS)、②ISO 21474-3の委員会原案化(CD)を中心に、国内委員会で討議した内容を国際会議で報告した。
② 検体検査の精度の確保への対応として、継続してゲノム医療の実用化に向けた遺伝子関連検査の精度の確保等への取組みを継続実施した。
③ 新型コロナウイルス核酸増幅検査の精度管理ガイダンスの第3版作成及び、啓発ビデオ(マイクロピペットの精確な操作と注意点)の作成を行った。


3)ISO/TC 212国内検討委員会およびISO/TC 272国内審議委員会
三菱総研の再委託事業(経済産業省委託事業)を推進するため、下記事項を実施した。
① ISO/TC272 総会、ISO/TC212(総会、WG会議)及び各WG会議への参加。
② 国際規格作成事業への継続参加。
③ 国内検討委員会会議と各WG会議の開催と懸案事項の審議。


4)認証委員会、認証評価委員会
① JIS Q 17034:2018 (選択肢A適用)基づく標準物質生産者認定の継続的維持を実践した。
② 新ロットである常用参照標準物質JSCC常用酵素CRM-001eの作製と値付けを行った。


5)標準採血法検討委員会
① 医療関連学生、技師や看護師個人へのガイドラインの普及のために、学生向け電子書籍と、一般向け電子書籍の開発を開始した。
② 2019年3月に現行のガイドライン(GP4-A3)が発行されて約4年が経過したが、この間重大な問題や不具合は報告されておらず、ガイドラインの内容が受け入れられているものと思われる。静脈採血の部分については、もうしばらく現状のままの刊行を続けることで意見が一致した。


6)基準範囲共用化委員会
① 共用基準範囲採用率の調査
日本医師会、日本臨床衛生検査技師会の精度管理調査アンケートから年次採用率の推移を調査し、両精度管理調査とも年々採用率が増加している。

② 今後の活動
共用基準範囲の採用施設は増加傾向にあるため、Q&A等の採用ツール、WEB研修会等を活用して普及に努めた。


7)臨床検査室認定プログラム
①関連団体との連携強化し、ISO 15189認定施設も順調に増えて281になった。
②遺伝子関連検査の次世代シーケンサーの(NGS)認定を推進した。
③登録衛生検査所、医療機関へのNGSの普及に努めた。
④技術審査員の確保だけではなく、主任審査員、上席主任審査員の増員を図った。
⑤審査員の質の担保を確保するためのweb研修会等を実施した。


8)小規模検査施設の外部精度管理委員会
①参加施設は診療を行う病院・診療所、検査機関、メーカー(ドライケミストリ-試薬販売会社)の100施設超が参加し、外部精度管理調査を実施した。
②第2回小規模検査施設の外部精度管理調査も実施するため、第1回の問題点の整理を行った。

Ⅶ. 令和4年度 事業報告・附属明細書

令和4年度事業報告には、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則」第34条第3項に規定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在しないため、記載を省略している。

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