JCCLS事業活動年次報告
令和2年度 事業報告
(令和2年4月21日から令和3年3月31日まで)
令和2年4月21日から令和3年3月31日までの期間において、公益社団法人日本臨床検査標準協議会が実施した事業について、次の通り概要を報告する。
Ⅰ.会員の移動
令和2年度における会員数は令和元年度と同数の正会員30の学術団体、賛助会員46社の76の会員数である。
- 令和元年度期末会員数(正会員30学術団体、賛助会員46社)
- 令和2年度期末会員数(正会員30学術団体、賛助会員46社)
Ⅱ.総会、理事会
1.総会、理事会等の開催
- 令和元年度第3回理事会
- 令和2年5月7日(木) 決議の省略
- 令和元年度定時総会
- 令和2年5月25日(月) 15:00~16:00
- 令和2年度第1回理事会
- 令和2年10月16日(金) 14:00~16:00
- 令和2年度第1回常任理事会
- 令和3年1月29日(水) 13:00~14:30
- 令和2年度第2回理事会
- 令和3年3月19日(金) 11:00~12:00
- 令和2年度JCCLSシンポジウム
- 令和3年3月19日(金) 13:00~15:00
2.総会、理事会等における審議・承認及び報告事項
1)令和元年度第3回理事会
「審議事項」承認された議案は次の通りである。
- 第一号議案
- 令和元年度事業報告及び決算関係資料案承認の件
- 第二号議案
- 役員選任の件
- 第三号議案
- 総会招集の件
- 第四号議案
- NPO法人日本臨床検査標準協議会よりの残余財産受け入れ承認の件
- 第五号議案
- 血清フェリチンハーモナイゼーションに向けた研究提案承認の件
- 第六号議案
- 上記の提案を可決する旨の理事会の決議があったものとみなされる日は令和2年5月7日とすること。
2)令和元年度定時総会
「審議事項」承認された議案は次の通りである。
- 第一号議案
- 令和元年度事業報告及び決算関係資料案承認について
- 第二号議案
- 役員選任について
- 第三号議案
- NPO法人日本臨床検査標準協議会よりの残余財産受け入れ承認について
3)令和2年度第1回理事会
「報告事項」報告された議案は以下の通りである。
- 報告事項1
- 幣協議会ホームページ作成に関する件
- 報告事項2
- NPO法人解散手続きに関する件
- 報告事項3
- 令和元年度第3回理事会議事録確認:(一般社団法人)
- 報告事項4
- 業務執行理事報告
「審議事項」承認された議案は以下の通りである。
- 第一号議案
- 令和2年度学術集会に関する件
- 第二号議案
- MacRM-002及びMacRM-001製造に関する件
- 第三号議案
- 会計規程に関する件
- 第四号議案
- 印章取扱規程に関する件(実印使用簿も含め)
- 第五号議案
- 就業規則に関する件
- 第六号議案
- 慶弔金規程に関する件
- 第七号議案
- 業務執行理事等の職務権限規程(決裁書も含め)に関する件
- 第八号議案
- 理事会及び常任理事会規程に関する件
- 第九号議案
- 診療所等での外部精度管理事業の件
4)令和2年度第1回常任理事会
「報告事項」報告された議案は以下の通りである。
- 報告事項1
- MacRM-001及びMacRM-002の製造に関する件
- 報告事項3
- 令和2年度学術集会の件
- 報告事項3
- ICHCLRに関する件
- 報告事項4
- 退職金規程に関する件
5)令和2年度第2回理事会
「報告事項」報告された議案は以下の通りである。
- 報告事項1
- 令和2年度学術集会に関する件
- 報告事項2
- MacRM-001及びMacRM-002製造及び値付けに関する件
- 報告事項3
- 令和2年度第1回理事会議事録確認
- 報告事項4
- 業務執行理事報告
「審議事項」承認された議案は以下の通りである。
- 第一号議案
- 内閣府へ提出する資料(令和3年度事業計画、収支予算書、収支予算書内訳表、資金調達及び設備投資見込、特定費用準備資金の積立)承認に関する件
- 第二号議案
- 定款・役員報酬規程・謝金規程変更に関する件
- 第三号議案
- 退職金規程に関する件
Ⅲ.令和2年度日本臨床検査標準協議会(JCCLS)シンポジウム
令和3年3月19日(金)に「新型コロナウイルス感染症の検査と診療の現状と展開:社会経済の回復に向けて」のタイトルでエッサム神田ホールにて実施し、65名の参加があった。(当日撮影した講演内容は現在Web配信中)
第一部「新型コロナウイルス感染症の診療と展開」
国際感染症研究センター長 大曲貴夫先生
第二部「新型コロナウイルス核酸検査の外部精度管理調査」
東海大学医学部教授 宮地勇人先生
Ⅳ.日本臨床検査標準協議会会誌の発行
日本臨床検査標準協議会会誌、35巻1号を8月末に発行した。
Ⅴ.ISO 17034:2016に基づく標準物質生産者
ISO 17034:2016 に基づく標準物質生産者の第2回再審査が行われ、認証委員会委員長(トップマネージメント)、認証評価委員会委員長(技術管理責任者)及び事務局担当者が対応した。認定期間は2025年3月31日までとなる。
Ⅵ.委託事業
三菱総合研究所からの再委託事業(経済産業省委託事業)である「令和2年度産業標準化推進事業委託費(戦略的国際標準化加速事業:政府戦略分野に係る国際標準開発活動(テーマ名:多項目遺伝子検査の精度保証に関する国際標準化)を期間3年で受託し、主にJCCLS/TC 212国内検討委員会及びJCCLS/TC 272国内審議委員会で検討した。
JCCLS/TC 212国内検討委員会の検討は以下の3規格である。
① ISO 21474-1「体外診断用医薬品・医療機器—核酸に対する多項目分子学的検査-第一部-用語と核酸品質評価に対する一般的要求事項」
② ISO 21474-2「体外診断用医薬品・機器—核酸による多項目分子学的検査-第二部-妥当性確認と検証」
③ ISO 21474-3「体外診断用医薬品・機器—核酸を用いた多項目分子学的検査-第三部-解釈と報告」
JCCLS/TC 272国内審議委員会の検討は以下の2規格である。
① ISO 18385:2016「法科学目的の生物試料(資料)を収集、保存と分析する為に使用する製品におけるヒトDNA汚染のリスクの最小化-要求事項」附属書用技術報告
② ISO 24436「呼気アルコール濃度」
Ⅶ.委員会活動
1)多項目実用参照物質検討委員会
① 免疫学的実用参照物質の開発
甲状腺関連項目の開発を行っており、甲状腺関連試料の作製及び添加抗原による測定値」への影響等について検討を行った。
② JCTLMへの登録申請
CRM-001を2次標準物質としてJCTLMへ登録申請を行なったが、幾つかの指摘事項を受けたため、それらの対応を行った。
③ MacRM-001、MacRM-002の次ロット作製
MacRM-001は令和3年11月で有効期限が切れ、MacRM-002は令和3年9月で在庫品がなくなる見通しのため、MacRM-001及びMacRM-002の次ロット品作製のための公募を行った。
2)遺伝子関連検査標準化専門委員会
① 三菱総合研究所からの再委託事業(経済産業省委託事業)を推進した。
② 厚生労働省委託事業「新型コロナウイルス感染症のPCR検査等にかかる精度管理調査業務」における技術専門家として、報告書作成に参画した。
③ 国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「アジア地域における臨床研究・治験ネットワークの構築事業」のISO 15189認定取得支援および教育支援として、ASEANからの研修生のために以下の事業を実施した。
- ISO 15189認定取得の実態調査
- 「遺伝子関連検査のためのISO 15189ガイダンス文書」の英訳化において技術専門家としての英訳本の発行準備
3)ISO/TC 212国内検討委員会およびISO/TC 272国内審議委員会
① ISO/TC 212 Web国際総会、WG国際会議およびISO/TC 272 Web国際総会、WG国際会議へ出席し、国際規格作成事業へ参加した。
② ISO/TC 212国内検討委員会およびISO/TC 272国内審議委員会でWeb会議を開催し、国際会議懸案事項の審議をした。
③ ISO/TC 212において国際規格ISO 21474-1「体外診断用医薬品・医療機器—核酸に対する多項目分子学的検査-第一部-用語と核酸品質評価に対する一般的要求事項」を発行できた。
④ ISO/TC 212において国際規格ISO 21474-2「体外診断用医薬品・医療機器—核酸に対する多項目分子学的検査-第二部-妥当性確認と検証」をCD投票ができた。
⑤ ISO/TC 212において国際規格ISO 21474-3「体外診断用医薬品・医療機器—核酸に対する多項目分子学的検査-第三部-解釈と報告」のコンテンツ案を検討した。
⑥ ISO 18385:2016「法科学目的の生物試料(資料)を収集、保存と分析する為に使用する製品におけるヒトDNA汚染のリスクの最小化-要求事項」附属書用技術報告の研究計画を立案した。
⑦ ISO/TC 272において国際規格ISO/PWI 24436「呼気アルコール濃度」の新規プロジェクトの提案に向けた作業を進めた。
4)認証委員会、認証評価委員会
認証委員会及び認証評価委員会委員へISO 17034に基づく標準物質生産者認定の留意点について、制定した品質マニュアル(ver.5.1.2)を用いて、内容確認とその理解のための教育訓練を行った。JCTLMへ登録申請中のMacRM-001及びCRM-001(ALP)について、JCTLMよりのコメントに対する対応を行った。
5)標準採血法検討委員会
①ガイドライン普及のために、ガイドラインの内容を抜粋したポケット版について、委員会で継続して検討を行った。
②標準採血法ガイドライン(GP4-A3)出版後の対応として、次版での掲載事項に関して検討中である。次版の改定は2023年を目標とした。
6)基準範囲共用化委員会
① Medical & Test Journal等マスメディアの活用
令和3年上期発行の薬剤師手帳(株じほう)にJCCLS共用基準範囲が掲載予定
② 医療法等改正に伴う精度管理広報とのタイアップ活動
③ 日衛協への提供ツールとしてパンフレット(Q&A)作成活動
(一社)日本衛生検査所協会が導入に向けた検討を開始する事が、令和3年度事業計画に盛り込まれた。
④ Eラーニング教材作成の検討
7)臨床検査室認定プログラム
① 関連団体との連携強化
② 認定の信頼性向上と意義・効果の提示
臨床検査室認定プログラム(ISO 15189)の取得施設は、全国で235施設である(2021年4月1日現在)。
③ 遺伝子関連検査の審査プログラムについて本審査開始に向けて審査員の教育
④ 非保険・研究領域、高度な検査技術に対する妥当性確認の審査深度の検討
令和2年度 事業報告・附属明細書
令和2年度事業報告には、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律施行規則」第34条第3項に規定する附属明細書「事業報告の内容を補足する重要な事項」が存在しないため、記載を省略している。