CLSIとの協調体制

CLSI (臨床・検査標準協会) との協調体制

1968年に産・学・官の合意に基づき設立されたNCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards、米国臨床検査標準委員会)は、昨今、広範な領域で国際的な活動を展開している現状にマッチさせるべく2005年1月1日より名称をCLSI(Clinical and Laboratory Standards Institute、臨床・検査標準協会)と変更した。CLSI は、「グローバルなコンセンサスに基づく標準、指針、ベストプラクティスを策定し、普及させることを通して医学検査や医療サービスの価値を高める」をミッションとして掲げており、世界中の2000団体より構成される会員組織を擁し、2000人以上にも上るボラティア活動を通して、定期的な更新を欠かさない170以上のベストプラクティス標準や指針を作成し、提供している一大組織である。提供している文書は、何れも世界のトップクラスのエクスパートによって策定されたものであり、現在、以下の10分野において約70ものプロジェクトが進行している。

  • ①自動化及び情報科学
  • ②臨床化学及び毒物学
  • ③評価基準
  • ④臨床検査一般
  • ⑤ヘルスケアサービス
  • ⑥血液学
  • ⑦免疫学及びリガンドアッセイ
  • ⑧微生物学
  • ⑨分子検査法
  • ⑩ポイント・オブ・ケア テスティング

1995年、ISOは、当時のNCCLSの提案に基づきISO/TC212:「臨床検査と体外診断検査システム」を設立し、ANSI(アメリカ規格協会)の要請に基づきNCCLSを経て現在、CLSIが事務局を担当している。一つのマイルストンとして2003年2月に発行されたISO15189

:「臨床検査-品質と能力に関する特定要求事項」があり、この規格に基づき、「臨床検査室の認定制度」がグローバルに進行しつつある。ともにコンセンサスプロセスを通して作成されているCLSI規格とISO/TC212規格との相違点は、前者が世界中の誰もが自由にボランティアとして規格作成に参画できるのに対し、後者は、貿易障害等を除去する目的で国別参画方式が採られていることである。また、どちらかと言えば、CLSI/JCCLSの規格が垂直的規格であるのに対して、ISO/TC212規格は水平的規格の作成に適していると言えよう。

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